

保育士の視点から、子どもたちの日常を切り取り、当園が大切にしている保育のカタチをお届けします。
家事や仕事の合間に、ホッと一息つきながら読んでいただければ幸いです。
*連載「道草を踊る」イントロダクションへ遷移します
※過去の記事はこちら
〜屋上庭園から見えた自然の循環〜
こんにちは、フレーベル西が丘みらい園(以下、みらい園)です。
少しずつ春の足音が聞こえてくる季節、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
前回の記事*では、墨汁という素材を通して、子どもたちが自由な表現を見せてくれた姿をご紹介しました。
*「連載 道草を踊る|2月 墨の世界」へ遷移します
今回は、子どもたちの関心から1年をかけて展開した「自然の循環」を探究する栽培活動についてご紹介します!
みらい園の保育は、日々の生活や子どもたちの興味関心を起点に展開されることが特徴です。
そのため、特定のスケジュール設定は行わず、継続的で段階的な活動を柔軟に実施し子どもたちの声から、ゆるやかに1年間の遊びが形作られていきます。
春: 昨年の栽培経験を活かし、今年は木材からプランターを手作りし、「何を育てようか?」と子ども会議。畑、田んぼ設置。
夏: 毎日の水やりと観察。顕微鏡で葉の裏を覗き、その不思議を絵や言葉、身体で表現。
秋: 自分たちの手で稲刈り、脱穀、精米。
冬: 自分たちで育てたお米と野菜を使った「カレー作り」。
日々変化する自然を相手に、継続して関わり続けることで様々な気づきを手にします。
この連続性こそが、子どもたちの「知りたい」を深めていきました。
虫に食べられ、朽ちてしまったメロンがひとつ。おもしろそうなので、そのまま観察していると……
その中からこぼれた種が土に還り、再び芽を出して新しいメロンが育ったのです。
その小さなメロンを割ってみると、
「また種だ。」
「これ、またメロンになるのかな?」
「じゃあ、その前も、またメロンだったってこと?」
ひとつのメロンと種から、過去から未来へつながる命と自然の循環と、その不思議を知りました。
目の前で見て、触れて、感じたからこそ、この学びは子どもたちの中に深く根を張るのです。
今年度、みらい園では、「アトリエコーナー」を作りました。
様々な道具や素材が揃い、自由に触れて試すことのできる場所。
自身で問いや学びを発見できる場所
を目指しています。
私たちは、大人が「答え」だと思うことをただ教えるのではなく、子どもたち自身が未知に触れ、じっくり考え、話し合うことを通して自分たちで「答え」を見つけていく「プロセス」を大事にしています。
そうして得た気づきを集め、大きな学びを紡いでいく。その学びにこそ価値を感じているからです。
自分の経験を通して見つけた発見は、揺るぎない自信につながり、新しいことに挑戦する素地になります。
収穫した野菜を「食べてみる」だけでなく、自分たちで「調理」したり、「染め物」の材料にして布を染めたり、生活の様々な場面で活用して過ごす子どもたち。
そんな実感を伴った気づきを得た子どもたちが、最後に取り組んだのが「カレー作り」でした。
自分たちで育てたお米と野菜を使い、お友達と協力し、1年間の成果を五感で味わう。
その達成感に満ちた表情は、とても輝いて見えました。
子どもたちにとって、遊びと生活は切り離せるものではありません。混ざり合い、互いに影響を与えあって豊かになっていくのだと思います
私たちはこれからも「生活」を相手に、遊びながら生きていく子どもたちを支えていくことを大切にしていきます。
子どもにとっては、道端の雑草も貴重な「実験対象」になります。
芽が出ている、虫が来た、枯れている……そのすべてが、子どもたちにとってはかけがえのない「気づき」の種です。
道端で、お子さんがじっと動かなくなったとき、それは大切な「観察タイム」かもしれません。
もしこのエピソードを思い出していただけたら、ぜひ、隣で一緒にその「不思議」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
みらい園は、保育のより一層の質向上につなげていくために「とうきょうすくわくプログラム推進事業」に取り組んでいます。
この情報発信は、とうきょうすくわくプログラムの活動報告として掲載します。
■「とうきょうすくわくプログラム推進事業」とは?
「とうきょう すくわくプログラム」は、幼稚園や保育所において、子どもたちが好奇心や興味をもって、わくわくしながら遊び、学べるよう応援する取り組みです。
取り組みを通じて、子どもたちの自己肯定感や思いやりといった豊かな心の育ちをサポートしていきます。
(出典:東京都すくわくポータル)