

保育士の視点から、子どもたちの日常を切り取り、当園が大切にしている保育のカタチをお届けします。
家事や仕事の合間に、ホッと一息つきながら読んでいただければ幸いです。
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※過去の記事はこちら
〜「栽培」から深まった「土」への関心〜
こんにちは!フレーベル西が丘みらい園(以下、みらい園)です。
前回の記事*では、子どもたちが、1年をかけて展開した栽培活動の様子についてお伝えしました。
*連載 道草を踊る|2025年振り返りエピソード_01 へ遷移します
今回は、栽培活動から探究の根を広げた、子どもたちと「土」の奥深い世界の記録をお届けします。
5月、田んぼ作りを始めた時のことです。
お米が育つために必要な「黒土」「赤玉土」「鹿沼土」の3種類を準備しました。
子どもたちは両手で土に触れ、すぐにその違いを感じ、言葉で表現します。
「こっちの方がサラサラしてる!」
「あ、公園の土のにおいがするよ」
「ひろば(園庭)の土とはにおいが違うね」
手触りだけでなく、においの違いにも注目。
五感を研ぎ澄ませ、感覚を育んでいきます。
その後、自分たちの園庭の土を掘り返して色の違いを見比べます。
木の根元は白っぽい土が出てきたりと、様々な発見がありました。
そして、その土を細かくすりつぶして高温で焼き、染料を作って布を染める「ベンガラ泥染め」を体験。
色の違いをより深くまで味わいました。
これまで以上に足元の世界がどんどん色鮮やかに広がっていきます。
土への関心は、そこから伸びる「植物」へと繋がりました。
いつもの散歩道、イチョウともみじの木をじっくりと観察する子どもたち。
葉の色が赤や黄色に変化することを知っていたので、いつ変わるかな?と、4月から毎日のように見守ります。
「いつになったら黄色くなるのかな?」
「もしかして、もっと寒くなった冬かなぁ」
季節をまたいで同じ木を見つめ続けることで、子どもたちは「色の変化」や「葉の形の個性」に自ら気づいていきました。
秋には落ち葉を使った堆肥作りを実施。
「葉っぱが土に還り、また木を育てる」という、目には見えにくい自然の循環を、実体験を通して肌で感じました。
一見すると、毎日同じ木を見たり土をいじったりしている姿は、同じことを繰り返しているように見えるかもしれません。
しかし、子どもたちの内側では、昨日とは違う「問い」が常に生まれています。
「昨日の雨で土が重くなったのはなぜ?」
「この葉っぱだけ、まだ緑なのはどうして?」
そんなことを考えながら、触れてみたり、匂いをかいでみたり。
子どもが働きかけ、自然がそれに返事をくれる。
そうやって語り合う中で、小さな気づきを重ねていきます。
私たち保育士はその小さな気づきを見逃さず、「今どんな経験をしているのか、次にどんな経験があるといいか」を考え、環境を整えていくことを大切にしています。
泥だらけになってにおいを嗅ぎ、季節の移ろいを肌で感じて学んだことは、子どもたちの中に深く根を張ります。
身体を通して世界を知ろうとする子どもたち。
自然の美しさ、面白さを味わいながら発見した「自分だけの答え」。
工夫し、試行錯誤して得た学びは、自信となって子どもたちをさらなる一歩を支えると考えます。
雨上がりに、土のにおいをいつもより強く感じたことはありませんでしょうか?
もしそんなとき、子どもが道端でしゃがみ込み、地面をじっと見つめている場面に遭遇したら、「折角だから」とお子さんと一緒に泥の感触を楽しんでみませんか?
その時のお子さんの表情をぜひ、そっと覗いて確かめてみてください。
地面を見つめるキラキラした瞳が隠れているかもしれません。
みらい園は、保育のより一層の質向上につなげていくために「とうきょうすくわくプログラム推進事業」に取り組んでいます。
この情報発信は、とうきょうすくわくプログラムの活動報告として掲載します。
■「とうきょうすくわくプログラム推進事業」とは?
「とうきょう すくわくプログラム」は、幼稚園や保育所において、子どもたちが好奇心や興味をもって、わくわくしながら遊び、学べるよう応援する取り組みです。
取り組みを通じて、子どもたちの自己肯定感や思いやりといった豊かな心の育ちをサポートしていきます。
(出典:東京都すくわくポータル)