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「心地よい」を創り出す|連載 道草を踊る vol_07

「道草を踊る」とは*

保育士の視点から、子どもたちの日常を切り取り、当園が大切にしている保育のカタチをお届けします。

家事や仕事の合間に、ホッと一息つきながら読んでいただければ幸いです。

*連載「道草を踊る」イントロダクションへ遷移します

※過去の記事はこちら


「心地よい」を創り出す

こんにちは! フレーベル西が丘みらい園です。

新しい年度が始まり、園にも子どもたちの元気な声が響いています。

昨年度、子どもたちは「おまつり」の企画や「土と植物」の研究を通して、自分たちで考え、形にする喜びを積み重ねてきました。

新年度を迎えた4月、子どもたちの興味は「自分たちの手で心地よい居場所をつくる」という所にありました。


枝一本から始まる、お花見への夢


「テントを作ってお花見がしたい!」 そんな一言から遊びが始まりました。

まずは材料探しです。強風の翌日、公園に落ちた枝を拾い集めます。

「これは短すぎるかなあ」

「あ、キノコが生えてる!!」

落ちている「枝」も、子どもたちの目には「大切な柱」に見えているようです。

昨年度の栽培活動で植物に親しんだ子どもたち。その経験を活かし、枝の太さや質感を見極めます。

理想のテントを思い描きながら、素材を選び抜いていきました。


互いの「得意」を重ね合って


テント作りは一人ではできません。

長い枝を支える人、麻ひもで結ぶ人、余計な部分をノコギリで切る人。

  • 「ここ持ってて、結ぶから!」

  • 「ひも、切って持ってきて!」

驚いたのは、子どもたちがお互いの「得意」をよく知っていることでした。


「ひも結びが苦手だから、やって」と友達を信じて頼り、頼られた子は誇らしげに腕を振るう。

日々、園で仲間たちと過ごす中で培われた「多様な参加のあり方」が、自然に発揮されていました。


「難しい」を「楽しい」に変える遊びの魔法


骨組みに被せるのは、昨年度自分たちで「泥染め」や「草木染め」をした大切な布です。

一枚一枚を繋ぎ合わせ、骨組みに括り付ける作業は決して簡単ではありません。


途中で雨が降り出すハプニングもありましたが、子どもたちは未完成のテントの中で「♪あまやどり~ あまやどり~」と歌いながら、小さく踊っていました。 


まだ骨組みだけなので雨は防げていませんが、気分は雨宿り。

大人の目線では「失敗」や「中断」と感じる場面も、子どもたちにとっては違います。


遊びに「失敗」はありません。「失敗」に見える出来事は、遊びをおもしろくする魔法であり、考えたり工夫したりするきっかけです。それを「楽しい」と感じるのは、自分たちで創り出した遊びだからかもしれません。


得られたのは「心地よい自分たちの居場所」と「達成感」


仕上げは、園庭で見つけたタンポポやツツジでの飾り付けです。

「これもかわいい!」「ぴんくだ!」と嬉しそうに袋に集めていた子どもたち。


花束を作る人、それを「どこにつけたい?」と友達のリクエストを聞きながら結びつける人、と役割分担もバッチリ。

その連携は、まるで熟練の職人チームのようでした。


完成したテントにおやつを持ち込み、温かな日差しの中で寝転ぶ子どもたち。

「自分たちの手で、心地よい場所を創り出した」という確かな自信が、その穏やかな表情に溢れていました。


一歩ずつの積み重ね


昨年度からの「継続性」は、遊びの内容だけでなく、「心の育ち」に表れています。

「何を言っても受け入れられる」という安心感があるからこそ、子どもたちは難しい課題にも挑戦し、仲間とぶつかりながらも協力し合い、目標に向かって進んでいきます。


今年度も、私たちは子どもたちの「やってみたい」に寄り添う伴走者として、この一歩一歩を大切に見守っていきたいと思います。


おわりに


お家にあるシーツやバスタオルを椅子にかけるだけで、子どもにとっては立派な「秘密基地」です。


「狭いところって、なんだか落ち着く」 そんな会話を楽しみながら、お子さんと一緒に「自分たちだけの特別な場所」を創ってみませんか?


そこには、大人も忘れていたワクワクする発見が隠れているかもしれません。


次回もどうぞお楽しみに!