


保育士の視点から、子どもたちの日常を切り取り、当園が大切にしている保育のカタチをお届けします。
家事や仕事の合間に、ホッと一息つきながら読んでいただければ幸いです。
*連載「道草を踊る」イントロダクションへ遷移します
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こんにちは! フレーベル西が丘みらい園です。
新しい年度が始まり、園にも子どもたちの元気な声が響いています。
昨年度、子どもたちは「おまつり」の企画や「土と植物」の研究を通して、自分たちで考え、形にする喜びを積み重ねてきました。
新年度を迎えた4月、子どもたちの興味は「自分たちの手で心地よい居場所をつくる」という所にありました。
「テントを作ってお花見がしたい!」 そんな一言から遊びが始まりました。
まずは材料探しです。強風の翌日、公園に落ちた枝を拾い集めます。
「これは短すぎるかなあ」
「あ、キノコが生えてる!!」
落ちている「枝」も、子どもたちの目には「大切な柱」に見えているようです。
昨年度の栽培活動で植物に親しんだ子どもたち。その経験を活かし、枝の太さや質感を見極めます。
理想のテントを思い描きながら、素材を選び抜いていきました。
テント作りは一人ではできません。
長い枝を支える人、麻ひもで結ぶ人、余計な部分をノコギリで切る人。
「ここ持ってて、結ぶから!」
「ひも、切って持ってきて!」
驚いたのは、子どもたちがお互いの「得意」をよく知っていることでした。
「ひも結びが苦手だから、やって」と友達を信じて頼り、頼られた子は誇らしげに腕を振るう。
日々、園で仲間たちと過ごす中で培われた「多様な参加のあり方」が、自然に発揮されていました。
骨組みに被せるのは、昨年度自分たちで「泥染め」や「草木染め」をした大切な布です。
一枚一枚を繋ぎ合わせ、骨組みに括り付ける作業は決して簡単ではありません。
途中で雨が降り出すハプニングもありましたが、子どもたちは未完成のテントの中で「♪あまやどり~ あまやどり~」と歌いながら、小さく踊っていました。
まだ骨組みだけなので雨は防げていませんが、気分は雨宿り。
大人の目線では「失敗」や「中断」と感じる場面も、子どもたちにとっては違います。
遊びに「失敗」はありません。「失敗」に見える出来事は、遊びをおもしろくする魔法であり、考えたり工夫したりするきっかけです。それを「楽しい」と感じるのは、自分たちで創り出した遊びだからかもしれません。
仕上げは、園庭で見つけたタンポポやツツジでの飾り付けです。
「これもかわいい!」「ぴんくだ!」と嬉しそうに袋に集めていた子どもたち。
花束を作る人、それを「どこにつけたい?」と友達のリクエストを聞きながら結びつける人、と役割分担もバッチリ。
その連携は、まるで熟練の職人チームのようでした。
完成したテントにおやつを持ち込み、温かな日差しの中で寝転ぶ子どもたち。
「自分たちの手で、心地よい場所を創り出した」という確かな自信が、その穏やかな表情に溢れていました。
昨年度からの「継続性」は、遊びの内容だけでなく、「心の育ち」に表れています。
「何を言っても受け入れられる」という安心感があるからこそ、子どもたちは難しい課題にも挑戦し、仲間とぶつかりながらも協力し合い、目標に向かって進んでいきます。
今年度も、私たちは子どもたちの「やってみたい」に寄り添う伴走者として、この一歩一歩を大切に見守っていきたいと思います。
お家にあるシーツやバスタオルを椅子にかけるだけで、子どもにとっては立派な「秘密基地」です。
「狭いところって、なんだか落ち着く」 そんな会話を楽しみながら、お子さんと一緒に「自分たちだけの特別な場所」を創ってみませんか?
そこには、大人も忘れていたワクワクする発見が隠れているかもしれません。
次回もどうぞお楽しみに!