


こんにちは!フレーベル西が丘みらい園(以下、みらい園)です。
心と体のセルフケアにまつわる連載「ぎゅっと、わっと。」の第5回をお届けします。
日々お子さんと向き合う保護者の皆様へ、みらい園の看護師(園内では「ナース」と呼んでいます)が、生きる力の一つであるセルフコンパッションを育むヒントをお届けいたします。
「そういう伝え方もあるのか!」といった気づきを得ていただいたり、親子で心も体も「自分を大切にできる(セルフコンパッション)」につながったり、そんなきっかけ作りになれば幸いです。
バックナンバーはこちら(『ぎゅっと、わっと。』一覧に遷移します)
今回は、生きていくための大きな土台であり、心と体を大切にすることにもつながる「食」をテーマにお届けします。
「毎日の栄養バランス、これで足りているかな?」「好き嫌いが多くて心配……」ご家庭での食に関する悩みは尽きないですよね。
今回は、ナースの視点から「なぜ食べるのか?」そして園でのリアルな食育の様子をお届けします。
「食べた物が骨や筋肉になり、動くエネルギーを体に与える」ということは、保護者の皆様も日々のお子さんの成長を通して実感されていらっしゃるかと思います。
ですが、食べ物が作っているのは「体」だけではありません。
実は、「心」も食べ物によって作られています。
私たちの心のバランスを保ち、気分を安定させている「ホルモン(神経伝達物質)」も、大まかに言えば日々口にする食べ物の栄養素から作られています。
つまり、食べ物は体の材料になるだけでなく、「心の運動の栄養」にもなっているのです。
心を健やかに保ち、生き生きと過ごすために特に意識してみてほしいのが、エネルギーとなる「三大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質)」に「ミネラル」や「ビタミン」をあわせた栄養のバランスです。
食べた物が体内でホルモンになり、心が満たされ、充実した日々につながっていく。
「食べること」はまさに、心身ともに生きるための土台作りと言えます。
食材に関心を持つ1つの切り口として、園では「昔と今の違い」に目を向ける体験を取り入れています。
たとえば「お米」。作り方を調べてみると……
今は機械で田植えをするけれど、昔はみんなで手作業だったこと
カモを田んぼに放して、虫を食べてもらう工夫(合鴨農法)をしていたこと
こうした「へぇ〜!」「昔はそうだったんだ!」という発見は、子どもたちにとってワクワクする瞬間です。
昔の人々の知恵や食材の背景を知ることで、ただ食べるだけでなく、主体的に食に親しむ心が育っていきます。
園では、「知識」だけでなく実際に土からお米作りをする「体験」にも挑戦しています。
稲がよく成長し葉も増えてくると、窮屈になりすぎないよう、大きめのケースに数種類の土を混ぜた田んぼを用意します。
園の近所には、田んぼのある公園があります。田んぼの中で遊び、田んぼの土の感触を味わった子どもたちは、その感触に近づけようと、土の配合や水の量、混ぜ具合を調整していました。
目に見える色や手のひらに伝わる感触から土の状態を確認し、「これが、お米になるんだよ」「おおきくなってね!」 と話しながら、五感を使って、田んぼ作りを楽しみました。
また、発達段階に合わせて、食材と少しずつ親しくなる体験(成功体験)を重ねています。
0歳児【触れてみる】
最初は「これなんだろう?」と手でちぎって口に入れて確かめたり、時には投げてみたりする姿もあります。手に着いたものを舐めてみて「あ、味がする!」など、触れることで食材を知ることから始まります。
1歳児【変化を知る】
段々と食材について知ってくると、「(緑色だからこれはちょっといやなやつだ)」と直感的に躊躇する姿も見られるようになります。それでも安心できる環境の中で見守られていることで、「ちょっと触ってみようかな」と自ら触れてみる姿も見られます。先生が目の前で食材を切ったり、調理したりする中で、食材の形や色が変化していく様子を見る機会も増えていきます。
2歳児【栽培と小さな挑戦】
水やりを通して野菜が育つ喜びを感じます。自分たちがされているように野菜に対して「暑いね~」「お水だよ~」と優しく話しかける姿も見られます。時には、ちぎって食べてみて「おいしくない!」となることもありますが、自分から手を伸ばして試す意欲を大切に見守ります。「(あれ?意外とおいしいぞ?)」ともぐもぐする姿も。
3〜5歳児【探求とクッキング】
「どうすれば美味しく育つ?」「ちょっと切ってみたい!」と自分たちで考え、友達と話し合いながら、観察したり、絵に描いてみたり、調理(洗う・切る・煮る・焼く・揚げびたしなど)にも挑戦したりします。特に、クッキングは大人気の活動です。
こうした「食」に触れる経験を重ねていく中では、苦手な葉物野菜にも自分から手を伸ばし、「食べてみる!」「あ、おいしい!」という笑顔に変わる瞬間もあります。でも数日後「やっぱりいやだ~」ということも。
こうした少しずつの積み重ねを温かく見守っています。
お子さんの心と体を守る食事づくり、まずはお子さんと一緒に「食卓の背景」に関心を持つことから始めてみてはいかがでしょうか?
「昔のお米づくりにはカモが活躍していたんだって」「このお肉や魚はどうやって食卓に来たのかな?」など、お子さんと一緒に探検するように、今日の食材を切り口にお話を楽しんでみてください。
三大栄養素とミネラルをちょっと意識しつつ、ご家庭に合った無理のないペースで、心も体も満足できる食生活を一緒に考えていきましょう!